やっぱり刺されると痛い
2020年 07月 05日
2020年7月5日
隊長です![]()
久しぶりにハッチに刺されました。
一年ぶりぐらいでしょうか。
隊長、普段の作業はほとんど副隊長にお任せしているのでそんなに刺されることはないのだけれど、一年に一度くらいは、「私を忘れないで」と女性にビンタされるかの如く刺されます![]()
今回は、一番痛い指先をヤられました。
しかも利き手の右❗

右の手は本当にヤバイって![]()

刺されると言うと、なんだか物騒で、「ミツバチはヤバいんじゃね」と思われるかもしれません
実際、怒らせると彼女らは半端なくヤバいです。
集団になって襲って来ます。
でも、怒らせるのにはそれなりに理由があり、例えば人間側の隊長たちの扱いが雑だったり、人間さまのペースで物事を進めようとしたり。
彼女らの機嫌を損なわせなければ大丈夫なのですが、彼女たちの思い通りではなく、こちらがやりたいやり方で進めると確実にヤられます。
今回も心当たる節がいくつかありました
隊長、来週テレビの撮影で、久々に一人でハッチの作業をし、なおかつ出演者たちと掛け合いをしなければならないという結構ハードルの高いミッションが入りました
女王を見つけたり、内検の一部始終をテレビに撮られる。
副隊長のように毎週毎週リーダーを任されてハッチを見て入れば恐ろしく大変と言う事はないのですが、ここ数年の隊長はずいぶんと腕が鈍っています。
引退して腹が出てきた名球会の選手が、エキシビションじゃないガチの公式戦に出るようなものです。
無様なさまは名球会の名に懸けて見せられません。
でも今のハッチたちは最盛期、伸び盛りの若手のフルスイングを、へなちょこボールしか投げられない往年の名選手が投球術で抑えないといけないようなものです。
マジ、ヤバい
これは本当に一大事です。
というわけで、木曜日は練習試合の意味も込めてハッチの作業を主体的にしました。
いつも副隊長の補佐の補佐みたいなことしかしないのに、一群を丸々見ようとしました。
ピッチピチの伸び盛りの若手選手を相手に久しぶりに練習試合。
へなちょこ隊長は苦戦しました。
いきなり最強エリザベス群は厳しいので、隊長がずっとこのブログでウオッチしてきた相性抜群ののぞみちゃんにお相手してもらうことにしました
エリザベス群は三段満群で、蜂数が約6万匹いるのに対し、のぞみちゃんは二段で、半分の約3万匹しかいません。
しかも満群ではなく、スペースに余裕があってすごく作業がしやすい群です
往年の名選手は、まずは組みやすい相手と組むというセコい作戦に出ました(笑)
「よーし、よーし、のぞみちゃん。すぐ終わるからおとなしくしているんだよ。」
往年の名選手はセリフまでセコい感じを漂わせながら作業をしたのでした(笑)


一番扱いやすそうな、のぞみちゃんと仲良くなろうとしたのにね・・・
巣枠を丁寧に一枚ずつ見ながら女王のぞみちゃんを探します。
一枚、二枚と作業して行くうちに、昔とった杵柄根性が出てきて、王台を潰したり手入れが行き届いていない巣枠外のプロポリスを取り除いたり、かなり調子に乗って来ました
その調子に乗ったのが、いけなかった。
必要最低限の事をやっていれば良かったのに、ハッチにとってはおうちの建材であるプロポリスを削り出したものだから、なにやらブンブンと怪しい音を立てて怒り始めました
「おいおい怒るんじゃないよ。こんな余計な所に巣を作ったら巣が住みにくくなるじゃないか。君たちを思ってとってあげているんだよ。」
隊長のこの態度がいけませんでした。
隊長は、自分がハッチの為を思ってやっている作業が、実はハッチには気に入らない作業だったのです。
ビルの屋上で暑さから思考が鈍っていたのかもしれません。
久しぶりなんだし調子に乗らなければ良かったのだと思います。
ハッチの気持ちにもならず、自分本位にやっていた隊長に厳しい一撃。
一匹のハッチが怒って隊長の指先にアタックしたのでした。
「イタッ❗」
気が付いた時には、手袋の上からしっかり針が刺さっていました。
そしてその針めがけて次から次へとハッチが襲ってきます(ハッチは刺すと、みんなにその毒袋の臭いを目印に敵を知らせます)。
久しぶりにズキっと痛む感覚。
そして、プンプンに怒っているハッチたち。
隊長はその日、なんとかのぞみちゃんを最後まで見て作業を終える事ができました。
しかし、他の群は副隊長や他の隊員に任せる形で帰って来ました。
指先に残る痛みと、ミツバチは刺すと言う事実を噛みしめながら
そう、ミツバチは刺すんですよね。
ミツバチは人にとって益をもたらす虫、「益虫」にジャンル分けされているけれど、彼女たちは人を刺す。
「家畜」と言うジャンルだけど、他の哺乳類の家畜と違って決して人におもねることがない。
種別も動物でなく、まったく構造が違う昆虫🐝
彼女たちを見ていると人におもねるどころか、飼われている感覚はまったくといって良いほどないと思う。
彼女たちが思い通りに生きている中で、なんとか人がギリギリの線で近づき、ハチミツを頂いている感じ
物事の真実はそこにあるんだと隊長は悟りました。
どんなにキレイごとを言ってもハッチは刺すし、人に媚びもうらないしおもねることもない。
人の方がミツバチ側に降りて行って始めて関係が成り立つ仲である。
ここがミツバチをやる最大のポイントなんです。
人は自然や環境、動物、生き物、植物、農産物とありとあらゆるものを思い通りにしてきた。
自分たちがそれに合わせて行くと言うよりは、相手を人に合わせさせて来た
そんな傲慢な人間に「針」と言う武器を持って言いなりにならない生き物「ミツバチ」たち。
この存在は、人が自然を前にする時に本当にあるべき姿を教えているように思います。
人間の方に傲慢さが出るとほぼ確実に刺される。
刺して人を傷付けるかと思うと、人に栄養満点のハチミツと言う益をもたらす。
また、人が暮らす生活圏の植物を受粉という作業で活性化し、豊かにして見えない所で人が生きやすい環境を整えてくれる。
しかし、農薬やちょっとした環境変化にも敏感に反応してアッという間に居なくなるデリケートさも秘めている![]()
刺すこと、益をもたらすこデリケートであること。
大袈裟かも知れないけど、ハッチは人が人としてこの地球環境に生きていくのに、より良く生きる為の要素を全て持っていて、大事なことを命を懸けた刺すと言う行為を持って教えてくれているんだと思う。
刺されて痛痒い指を見ながら(パソコン作業は地獄です😅)、
「もうハッチなんてやらないゾ。」
と思いながらも、二~三日もすると、
「ああ、刺されたのは俺が悪かったんだ。もう一度謙虚にハッチをやって行こう。」
と言う思いになるのです

ミツバチハッチ。
本当に不思議で大切な生き物です![]()

