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冬は寒くないとね!

2011年12月15日

地球温暖化が叫ばれるようになった頃から
「なんだか今年の気候はおかしいね」
とう言う言葉を耳にすることが多い。

今年の冬も、なかなか寒くならず、
突然、寒い日が来て、また急に暖かくなって、しばらく
冬のような秋のような気温が続く。
ちょっと変な感じの季節感026.gif

よく「昔は・・・・」という言葉で
30~40年前ぐらいの頃の寒さや暑さを、自分の記憶として表現することがある。

地球環境の問題がクローズアップされてからは、
あまりにいろんな人がいろんなところでこのことを懐古感たっぷりに表現するので
ちょっと興ざめな感はあるが、どうしても使いたくなることが今年の冬、丘ばち
隊長の胸によぎった。

先日、いそがしい仕事終えて、夜な夜な丘ばちの越冬対策の寒さよけ板を切ったりつなぎ合わせたり、ああでもない、こうでもないと暗い事務所の中で必死に作業していると、ふと思い浮かんだのだ。
やっぱり「昔は・・・」という感覚を忘れてはいけないと。

確かに、昔の冬は寒かった。
30代後半の自分は、記憶をたどって体に染み付いた感覚として子供の頃の冬はもっと寒かったし、夏はもう少し暑くなかった。

ミツバチ・丘ばちにとって、冬の寒さは天敵。ミツバチが死ぬリスクは
グッと高くなる

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がんばって冬を越そうね

丘ばちの越冬対策をしていて、どの断熱材がいいか、この保温材は有効か、なんてあれこれ考え、ネットをピコピコ、本をペラペラやっているうちに、だんだん不安になってきて、最後には、今年の冬は暖冬であったらいいなぁ、なんて安易な自然頼みを考えたりした。
最強の越冬対策は「暖かい冬!」





このとぼけた考えに行き着いた先にふと、自分はダメな自分になっているのではないかと思い至った044.gif

「本当にこれでいいのかな?」

ミツバチにとっては、暖かい冬は一見歓迎のように思う。
寒がりの人間様だって、風邪をひくリスクは下がるし、こころも寒いと沈みがちなので
暖かいのは嬉しい。


丘ばちの巣箱に断熱材を細かいサイズを測って貼り付け、入り口が出入りできるか、丘ばちの呼吸が出来るかどうか、この素材が自然で生きてるはちに受け入れられるかどうか、なんて「寒さ」だけでなく、「自然」という言葉そのものの持つ意味なんかに思いをはせると、

やっぱり
「寒くない冬はほんとにいいのか?」
と、こころの深いところで思ってしまった039.gif

僕たち人間が、寒さを嫌い、暖かい冬を歓迎してしまったら、
地球はダメな方向にむかって行ってしまう。
夏の暑さは益々常軌を逸して、寒いはずの冬は薄着で過ごす異常性。

この感覚に慣れてはいけない。
朝起きる時、暖かい布団から出る時、外を歩いて手や耳が凍えるとき、
丘ばちの大変な冬支度作業をしているとき、
「あー、この寒さは勘弁だ」
と思う弱い心を封じ込めないと、暖かい冬を感覚的に受け入れてしまってどんどん温暖化は進む。





小さいことだけれど、一人ひとりが
暖かい冬に異常を感じ、
寒さや寒さから来る苦痛を当たり前のものとして、自然のものは自然に受け入れる気持ちを持つことが地球温暖化に立ち向かう小さな一歩だと思う。


夏の異常な暑さは、みんないやだからすぐに温暖化防止に意識が向く。
だけど、暖かい冬は曲者だ。
わが身にかかる苦痛や痛みが減ると人はそちらをよしとする。
この感覚に待ったをかけること。
丘ばち隊長はこの冬、丘ばちの越冬にできる努力は全て行い、
そして寒い冬を敢えてよしとし、正面から本当の「寒さ」に向き合ってみようと思う

冬は寒くないとね!_d0155439_14165819.jpg
隊長防寒対策中


「暖かい冬」を望まず、丘ばちの越冬にかかる労を惜しむことなく、面倒や辛い作業が
発生しても、一つ一つ受け入れ「温暖化にならない本当の寒さ」を意識しながら、
ミツバチたちを考えてみようと思う。

それが、自然環境を考える機会を与えてくれているミツバチたちへの恩返しになると思う。


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丘ばち隊の越冬対策最新兵器“ビニールハウス”
by jiyugaoka-bee | 2011-12-13 14:26 | 隊長 渾身の一筆

養蜂活動の記録


by jiyugaoka-bee